小児心臓手術では、人工心肺装置を安全に操作する臨床工学技士が欠かせない存在です。
体重数kgの小さな命を支える人工心肺では、わずかな変化が患者さんの状態に大きく影響するため、高度な知識と経験、そしてチーム医療が求められます。
今回は昭和医科大学病院 小児循環器・成人先天性心疾患センターで、小児人工心肺を担当する臨床工学技士に、小児人工心肺への想いや仕事のやりがいについて話を聞きました。
Q1. 小児人工心肺をやろうと思った理由を教えてください。
小児人工心肺には、「とても繊細で難しい」というイメージがありました。
だからこそ、その難しい分野に挑戦したいという気持ちが強くあり、小児人工心肺の仕事に携わることを希望しました。
私は普段、透析業務にも携わっていますが、高齢の患者さんを支えることももちろん大切な仕事です。一方で、小児人工心肺は未来のある子どもの命を支える仕事です。
子どもたちの未来につながる医療に携われることに、大きな誇りとやりがいを感じています。
Q2. 初めて小児人工心肺を担当したときは、どのような気持ちでしたか?
とても緊張したことを覚えています。
小児人工心肺は成人以上に細かな管理が求められるため、不安もありました。
しかし、無事に手術を終えたときには大きな達成感があり、「もっと経験を積んで成長したい」という気持ちが強くなりました。
Q3. 若手だからこそ感じることはありますか?
まだまだ知らないことばかりだと感じています。
経験豊富な先輩方は、私が気付かないようなポイントまで事前に予測しながら人工心肺を操作しています。
若手だからこそ、一つひとつの症例から学び、知識と経験を積み重ねることが何より重要だと思っています。
Q4. 小児人工心肺で特に難しいと感じるポイントは何ですか?
小児は体が小さいため、体内を循環する血液量も非常に少ないことです。
そのため、わずかな流量の変化や薬剤投与のタイミングでも、患者さんの状態が大きく変化することがあります。
成人では問題にならないような小さな変化でも、小児では大きな影響を及ぼすため、非常に繊細な管理が求められます。
Q5. 手術中に特に注意していることは何ですか?
どの症例も決して気を抜くことはありません。
親御さんにとって、お子さんは何よりも大切な存在です。
だからこそ、「手を抜いてよい症例は一つもない」という気持ちで、毎回十分な準備を行っています。
術前には患者さんの情報を詳しく確認し、病態について勉強し、万全の状態で手術に臨むよう心掛けています。
Q6. 人工心肺中に大切にしていることを教えてください。
一番大切にしているのは、小さな変化を見逃さないことです。
トラブルが起きてから対応するのではなく、その前に変化の兆候に気付き、未然に防ぐことが臨床工学技士の大切な役割だと思っています。
また、人工心肺だけを見るのではなく、麻酔科医や執刀医の動きなど、手術室全体の状況を把握しながら連携することも非常に重要だと考えています。
Q7. 小児人工心肺を通して成長したと感じることはありますか?
一番成長したと感じるのは、「周りを見る力」です。
以前は人工心肺装置だけに集中していましたが、今では麻酔科医や外科医の動き、手術全体の流れを意識できるようになりました。
チーム全体を見ながら行動することで、より安全で効率的な人工心肺管理につながると実感しています。
Q8. 先輩技士から学んでいることは何ですか?
最も学んでいるのは「判断力」です。
経験豊富な先輩方は、起こるかもしれないことを事前に予測し、その先を見据えて行動しています。
私はまだ経験が浅いため、その判断力には到底及びませんが、日々先輩方から多くのことを学ばせていただいています。
Q9. 今後身につけたい技術や知識はありますか?
病態生理について、さらに理解を深めたいと思っています。
人工心肺は経験だけではなく、「なぜこの変化が起きているのか」を理論的に考える力も重要です。
知識と経験の両方を積み重ねながら、より安全な人工心肺管理ができる臨床工学技士を目指していきたいと思っています。
Q10. 印象に残っている症例はありますか?
特に印象に残っているのは、長時間に及ぶ人工心肺症例です。
非常に緊張する手術でしたが、無事に終えることができ、大きな達成感を得ることができました。
その経験は、自分自身を大きく成長させてくれた忘れられない症例になっています。
Q11. 小児人工心肺を目指す方へメッセージをお願いします。
小児人工心肺はとても難しく、最初は戸惑うことも多い分野です。
しかし、勉強を重ねるほど病態の奥深さや面白さを実感できるようになり、大きなやりがいを感じられる仕事です。
昭和医科大学病院では、医師をはじめ多職種との連携が非常に良く、若手にも丁寧に指導してくれる環境があります。
私自身も、将来は医師を支えられる人工心肺技士になれるよう日々努力しています。
ぜひ、小児医療に興味のある臨床工学技士の皆さんにも、この分野へ挑戦していただけたら嬉しいです。
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