こんにちは。昭和医科大学病院 小児循環器・成人先天性心疾患センターの齊藤真理子です。
本日は「心臓の画像検査」について、CT検査やMRI検査の特徴や流れについてご紹介します。
心臓の画像検査とは
心臓の画像検査とは、心臓の形や動き、血液の流れなどを画面上に「見える化」して評価する検査です。
心臓は常に動いている臓器のため、CTやMRIを用いることで、形だけでなく動きや血流の状態も詳しく調べることができます。
主な画像検査の種類
代表的なものが「心臓CT検査」と「心臓MRI検査」です。
心臓CT検査
- 目的・適応
心臓病の診断や現状把握、手術前後の状態評価、久しぶりの受診時にも行うことがあります。 - 検査方法
造影剤(コントラスト剤)を使い、心臓や血管の様子をより鮮明に撮影します。
検査装置で横になり、撮影自体は数10秒、準備も含めて20分ほどで終わります。 - 小児の場合
小学生以下は動かないように鎮静薬で眠ってもらうことが多いです。
小学生以上や大人の方は外来で受けることができます。 - 注意点
放射線を使うため、検査が本当に必要と判断された方に限りご案内します。
放射線被ばくは最小限になるよう、範囲や撮影枚数など十分に配慮しています。 - メリット
心臓の部屋や血管の形、大きさ、位置関係を詳しく知ることができ、外科医が手術計画を立てる際にも役立ちます。
心臓MRI検査
- 目的・適応
CT同様、心臓の状態を調べ、治療方針を決定するために行います。定期的な検査として年に1度行う患者さんもいます。 - 検査方法
放射線を使わず、磁石の力で画像を映し出す筒状の装置で行います。
1時間ほどの検査で、動いている心臓の動画や血流の様子、心臓の機能や大きさを詳しく評価できます。
好きな音楽を流すこともできます。 - 注意点
金属が体内に入っている場合は検査ができません。
また、狭いところや暗い場所が苦手な方、装置の中でじっとできない方には難しい場合があります。
検査中は数10秒ほど息止めが必要な場面もあります。 - メリット
被ばくがないため、繰り返し検査が可能。心臓の弁の機能や逆流の有無、血流量の測定など詳細な評価ができます。
検査の意義と活用シーン
心臓CT・MRIは、
- 手術やカテーテル治療前の詳細な計画
- 治療後の状態確認や経過観察
- 今まで治療歴がある方の久しぶりの診察時
- 先天性心疾患があるお子さんや、ご家族で心臓病の心配がある場合の評価
など、さまざまな場面で活用されています。
画像を使って心臓の現在の形や血管の位置、異常の有無を正確に把握し、治療や日常生活へのアドバイスに役立てています。
スタッフ体制と検査への配慮
昭和医科大学病院には、小児循環器の画像検査に特化した放射線技師が在籍し、医師やスタッフ一同で質の高い検査を目指しています。
女性の検査技師も在籍しているため、女性の患者様も安心して検査を受けていただけます。
患者さんの安全・安心を第一に考え、わかりやすい説明ときめ細かいサポートを心がけています。
検査について不安や疑問があれば、遠慮なくご相談ください。
最後に
心臓の画像検査は、患者さんの病状や治療経過を正確に把握するための大切な検査です。
不安や疑問がある場合は、担当医やスタッフまでお気軽におたずねください。
昭和医科大学病院 小児循環器・成人先天性心疾患センターでは、皆さんの健康と安心のために全力でサポートしています。