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【後編】 小児血管心臓外科について

こんにちは。昭和大学医科病院 小児心臓血管外科 診療科長の宮原です。
今回は、小児心臓血管外科の特徴や手術、そして私の思いについてお話しいたします。

小児心臓血管外科の手術について

成人の心臓外科手術には、弁や大動脈、冠動脈を治すなど、ある程度決まった定型的な手術が多くあります。一方で、小児の心臓外科では疾患が非常に多彩で、定型的な手術というものが少ないのが特徴です。

最も多い手術は、心臓の中に生まれつき穴が開いているお子さんの穴を閉じる手術です。これが私たちの基本となる手術であり、頻度も高いです。

幅広い年齢層と疾患への対応

私たちが最も多く手術を行う疾患は「心室中隔欠損症」で、生まれつき心室に穴が開いている先天性心疾患です。

この手術は、体重2.5kgほどの新生児から成人まで、幅広い年齢層で行われますが、最も多いのは乳児期、生後2か月ほどの患者さんです。

心臓病にはシンプルな症例と複雑な症例があり、心房中隔欠損症や心室中隔欠損症などシンプルな場合は、一度の手術で完治することがほとんどです。

一方で、ファロー四徴症や単心室症など複雑な疾患は、段階的に複数回手術が必要になったり、小さい頃に治療が終わっても成人期に再手術が必要となる場合もあります。

術後の生活と社会復帰

心室中隔欠損症の手術を受けたお子さんは、手術後は普通のお子さんと同じ生活ができます。

学校を休んだりする必要もなく、クラブ活動やスポーツも問題なく楽しむことができます。大人になっても、やりたいスポーツなど、普通の生活ができるようになります。

私が小児心臓外科医を志した理由

私は大学を卒業する時に心臓外科医になろうと決めました。

最初は成人の心臓外科でトレーニングを積み、症例数も多かったため、そのまま成人心臓外科医として進むことも考えていました。

しかし、小児心臓外科の先生方の姿を見て、「自分もこのカッコいい先生になりたい」と強く思いました。その原動力が、今も小児心臓外科医を続けていくモチベーションになっています。

患者さんとご家族への想い

手術が成功して元気になったお子さんが成長し、外来に来てくれるのは私にとって一番の喜びです。かつて言葉も話せなかった小さな患者さんが、「ありがとう」「バイバイ」と笑顔で帰っていく姿を見られるのは、小児心臓外科医として本当に幸せな瞬間です。

私は小児心臓外科医として25年以上の経験があります。手術の技術には自信がありますが、それだけでなく、外来や手術前のご家族への説明も大切にしています。

必ずご家族が納得いくまで、2時間ほどしっかり時間をかけてご説明し、ときには絵を描きながら一緒に理解を深めています。

外科医がしっかりと説明し、ご家族に安心していただくことを大切にしています。どうぞ安心してご来院ください。

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