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子どもの“肺静脈狭窄”はなぜ危険?見逃せない理由と治療のポイント|専門医が徹底解説

子どもの“肺静脈狭窄”はなぜ危険?見逃せない理由と治療のポイント|専門医が徹底解説

昭和医科大学病院
小児循環器・成人先天性心疾患センター
喜瀬 広亮

見逃せない理由と治療のポイント|専門医が徹底解説

「肺静脈狭窄(はいじょうみゃくきょうさく)」は、先天性心疾患のあるお子さんや、心臓手術後のお子さんにみられることがある、注意が必要な病気です。
今回は、昭和医科大学病院 小児循環器・成人先天性心疾患センターで診療を行っている肺静脈狭窄について、病気の特徴や治療の考え方をわかりやすく解説します。


肺静脈狭窄とはどんな病気?

肺静脈狭窄とは、肺から心臓へ血液を戻す「肺静脈」が狭くなってしまう病気です。

この病気には、

  • 生まれつき肺静脈が狭い先天性のタイプ

  • 先天性心疾患の手術後に生じる術後性のタイプ

があります。

特に、肺静脈の戻り方に異常がある先天性心疾患の手術後に発生することが多いとされています。


なぜ肺静脈狭窄は危険なのか?

肺静脈が狭くなると、肺から心臓へ血液がうまく戻れなくなり、

  • 肺に負担がかかる

  • 呼吸状態が悪化する

  • 心臓や全身の状態に影響が出る

といった問題が起こります。

さらに肺静脈狭窄は、治療を行っても再び狭くなりやすいという特徴があり、長期的な治療や慎重な経過観察が必要になるケースが少なくありません。


外科的治療について

外科的治療では、肺静脈の狭くなった部分を広げる手術が行われます。
再び狭くなるリスクを減らすため、できるだけ縫合による影響を抑え、肺静脈の流れを妨げないよう工夫した治療が行われます。

詳しい治療内容については、外科医と相談しながら方針が決定されます。


カテーテル治療でできること

肺静脈狭窄に対しては、カテーテル治療が行われることもあります。

  • バルーンカテーテルで狭い部分を広げる

  • ステント(金網状の器具)を入れて内側から支える

  • 再狭窄を防ぐ薬剤を用いた治療を併用する

など、病状に応じて治療方法が選択されます。


繰り返す治療が必要になることも

肺静脈狭窄では、外科治療・カテーテル治療のいずれを行っても、再び狭くなってしまうことが多いのが特徴です。

そのため、

  • カテーテル治療を繰り返し行う

  • 狭くなったステントを外科的に取り出し、再治療を行う

といった、集中的な治療が必要になるお子さんもいます。


内科的治療(薬物治療)の可能性

現在、日本国内では肺静脈狭窄に対する保険適応の薬物治療は確立されていません。

一方で、海外では免疫抑制剤を使用することで再狭窄の頻度を減らせるという報告があり、
昭和医科大学病院でも一部の患者さんにこの治療を取り入れています。

その結果、手術やカテーテル治療の回数を減らせているケースもあり、今後も内科・外科が連携しながら治療を進めています。


治療後も重要な「経過観察」

肺静脈狭窄は、治療後も再狭窄が起こる可能性があるため、定期的な経過観察が欠かせません。

  • 体格に合わせて可能な範囲でしっかり広げる

  • 内科的治療を併用し、再狭窄を予防する

  • 状態を継続的にモニタリングする

といった、長期的な視点での管理が重要です。


一人で抱え込まず、ご相談ください

肺静脈狭窄は、一度の治療で解決しないことも多い病気です。
1年の間に何度も治療を行う必要があるケースもあります。

昭和医科大学病院 小児循環器・成人先天性心疾患センターでは、
内科・外科が連携しながら、お子さんとご家族の負担をできるだけ少なくする治療を目指しています。

不安なことや気になる点があれば、どうぞ担当医にご相談ください。

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